誕生秘話

鳥取大学大学院准教授 伊福伸介氏
  • 開発者紹介
  • 鳥取大学大学院准教授
  • 伊福 伸介
  • 学歴:京都大学大学院博士課程 博士(農学)
  • 職歴:京都大学、ブリティッシュコロンビア大学の研究員を経て、鳥取大学に赴任、2011年から現職。
  • 受賞歴:2013年に若い世代の特別講演会講演賞(日本化学会)、科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞など

この研究のきっかけ

鳥取という土地柄、カニの水揚げが日本一の境港があります。そこではカニ殻が大量廃棄されている現状から、この殻を有効利用できないものかと考えました。

また京都大学で樹木に含まれているセルロースから繊維を取り出す研究をしていたことも有利でした。

研究の始まり~現在

旅館にカニ殻を集めていただくようお願いしたり、自ら大量にカニやエビを購入して材料を確保したんです。
様々な努力の結果、1ヶ月ほどでキチンからナノファイバーを取り出せました。

キチンは粉末にしただけでは水に溶けないのですが、ナノファイバーは非常に微細な繊維のため、水に拡散してゼリー状になります。この特性は他の素材とも相性が良く、様々な活用法が生まれてくるんです。

ナノファイバー自体がかなりの強度を持っていますし、熱にも強くまた透明性を損ないません。これをプラスチックに混ぜればデジタル端末や様々な工業製品に使える可能性があります。

研究が進み、最近では生体に対しても有効な機能があることが分かってきました。

マウスでの実験結果ですが、ゼリー状のキチンナノファイバーを皮膚に塗布したところ、コラーゲンが増えることが明らかになりました。

この特性を用いてキチンナノファイバーで肌の表面を保護する製品を企業と共同開発し、2015年からキチンナノファイバー配合の化粧品が販売されています。

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